日本とアメリカ、どちらに会社を作るべきか? (1)

読者の方が、あるビジネスの実行を検討しているとします。そのビジネスは日本国内に止まるものではありません。世界最大のGDPを誇るアメリカを通じ、世界で戦っていくべきビジネスだとします。

さて、そのときに、一体会社は日本とアメリカのどちらに作るべきなのでしょうか?

実はこの問題、多くの起業家の方が直面している難問であり、綺麗に場合分けしていけばコレという正解が出てくるものではありません。会社のビジネスモデル、目指す姿など、それぞれの状況に応じて答えが変わってくるものです。

まず、以下の図をご覧下さい。ここには書いてありませんが、勿論、アメリカに会社を作った場合の最大のメリットは、①ビジネスを最初から世界展開できる、②資金調達に成功した場合に調達できる額が大きい、ということになりますよね。

japan-or-us

が、しかし。色々な問題が出てきそうですよ。

今回は、これらの項目のうち、「VCから見ると」を取り上げます。つまり、VCからの資金調達を目指す起業家の方にとって、日米のどちらに法人を持っていると有利か、という問題を考えてみます(あれ?設立コストとか、他の項目は?? 大丈夫、いつか書きます。多分主に相棒が。)。

 

米国のVCからみたとき、一つ大きく言えることがあります。それは、

比較的アーリーステージで米国VCからファイナンスをしたい場合、米国に会社がないと難しい

ということです。勿論例外もあるでしょうし、例えばイーロン・マスクさんが出身である南アフリカに会社を設立してファイナンスを求めれば、米国のVCはそれに応じるでしょう。しかし、一般的に言って、米国の、特にパロアルトはサンド・ヒル・ロードを中心とするシリコンバレーのVCが、米国外の法人にアーリー投資を実行することはありません。

つまり、最初から起業家の方が米国での資金調達を意識している場合、米国に会社を作っておいた方がいい可能性が出てくることになります(本論からは外れますが、日本法人の子会社として米国会社を用意しても、米国VC側から見ると日本の親会社に対して投資しなければキャピタルゲインが得られないため、あまり意味がないという評価になるでしょう。)。

これに対し、日本のVCはどうでしょうか?

日本のVCの中には、確かに、日本の株式会社にしか投資しないというポリシーをお持ちのところが多くあります。それは、例えばファンドへの出資者への説明のし易さなどの観点から考えれば、十分合理性のある考え方だということが分かります。

これに対し、日本のVCの中には、米国を初めとする海外の会社への投資に全く差し支えがないというところもあり、近時はそのようなVCさんも増えているやに聞きます。そうすると、日本のVCからの資金調達という観点は「米国法人を設立することのデメリットになる」とまでは言えない、ということになりそうです。

「ならアメリカで設立すればいいじゃないか!」

「必要なら日本に子会社を作ってもいい。それなら米国VCからのファイナンスにも差し支えないんでしょ?」

という声が聞こえてきそうですが、、、確かに最近ではアメリカ法人を最初から設立して世界で戦っていこうとするStartupさんが増えています。しかし、やはり海外で会社を設立してビジネスを展開するということは、楽ではありません。上図の他の項目のような、有形無形の問題が降りかかってきます(そもそも米国VCから資金調達をすること自体が極めて難しいと言えますが、競争力の問題が主なのでその観点は一先ず措きます。)。

それから、ビザ問題です。実はこれがまた大問題。アメリカほどエンジェル/シードラウンドで調達できる額が多くない日本から、投資ビザ(E2)を取得するほどのエクイティを米国に持ち込むことができるでしょうか。企業の駐在でいらっしゃっておられる方は特に意識することはないと思いますが、本気で米国で事業をやっていこうとする方には死活問題です。

今日はちょっと長くなってしまいましたので、また次回以降、続けます(関係ないテーマを挟んだらゴメンナサイ。。)。

気付けば一月も最終週。早すぎる時の流れに焦るばかりですが、今週も張り切って参りましょう!

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