明けましておめでとうございます。
ウェブメディア『自動運転の論点 ~それは私たちをどこへ連れて行くのか~ 』が仮公開されましたので、ご報告します。
コンセプトは、自動運転車のある近未来社会に思いをはせつつ、何が問題か、その問題についてどう考えるべきかについてあれこれ考えていこうじゃないか、というものです。ニュートラル、そしてとてもオープンなメディアだと理解しています。
仕掛人の竹田さんによるガイダンスにも、自動運転というテクノロジーを介した、大きな目線が窺い知れます。
自動運転は技術的な課題であると同時に、それ自身が社会制度資本の再設計を要求しているからです。
つまり、法律、国際法、行政、教育、教育、福祉、健康、情報、エネルギー、食料といった重要な論点、さらに上位概念としての公共性、信頼、自由、正義、等々はすべて、自動運転という補助線を与えることで、課題の存在とその解決方法がきわめてクリアーになる可能性があります。
執筆者陣をみると、アカデミア(エンジニア、デザイン、都市工学、福祉から数学(!!)まで)、プログラマ、ドコモの方、起業家、航空管制の専門家、海洋研究開発機構の方、ジャーナリストとめちゃくちゃ多岐にわたっており、しかも皆トップランナーです。interdisciplinaryな議論が期待できます。公開記事を拝見しましたが、相当オモロイです(『自動化した空の優先権』とか、『シリコンバレーでカーシェアリングの車に乗りまくるの巻』 『「AI信号機」導入で交通渋滞を大幅緩和 – 米ピッツバーグの実験』 などのシリーズは個人的に今後への期待が膨らみます。ちなみに、管制は、自動運転でもドローンでも今後重要な課題になるのではないかと考えております。)。執筆者はこれからも増える見込みのようです。
最近では法律業界でも自動運転の議論が活発化していますが、まだまだ議論は深まっていませんし、何より、新しいテクノロジー、特に自動運転のように社会の根本を変えるようなお話に関しては、とにかく法律屋が法律屋だけで固まって話をしてもダメだということは強く感じているところですので、是非、筆者としてはこのメディアを通じて勉強し、また、問題意識を持っていきたい所存です。
さて、この『自動運転の論点』のうち、新制度設計と立法というパートを筆者らの所属する法律事務所の有志で担当しています。
ココにも書いたのですが、自動運転車の実用化と普及にとって、法令その他のルールの持つ意義は非常に大きいと思います。そして、どのようなルールを定めるか、私たちがどのような社会を求めていくべきかという問題は、1つの価値の選択の問題だと思っています。
最後に選択を行うのは、私たち1人1人ですが、その前提として、どのような法的な問題があり、現行法上どのように整理できるのか、というのは法律屋の大事な仕事だとの考えから、参画させて頂くことになりました。ご縁を頂戴した竹田氏、そして編集長の須田氏に感謝します。
一発目の記事は『ハンドルとブレーキペダルのない自動運転車を考える』と題し、筆者が書きました。寝転がりながらでもお読みいただければ幸甚です。
『自動運転の論点』は、ココにも書いてありますが、あいにく、基本、月900円+taxの有料になるそうですが、2月いっぱいくらいまでは、無料で全記事が読めるそうです。ご興味のある方はご賞味ください。
最後に、あまり関係ないですが、2点告知です。
1月24日(火)午後(六本木)と、25日(水)午後(大阪)、JETROさんの『世界のイノベーション・エコシステムセミナー(シリコンバレー・イスラエル・シンガポール)』で、海外展開における知財戦略について少しだけお話します。
2月10日(金)14時から、赤坂で、AI、ロボット、ドローン、自動運転関連について、ウェストローさんと共同でセミナーをします。
いずれも無料ですので、ご興味のある方、是非どうぞ。
それでは、 本年もどうぞよろしくお願いします!