Convertible Note/Convertible Equityのキホン(7)

SAFEの話が延々と続いていますが、SAFEっていったいナニモノなのさ?というのは、それなりに多くの皆さんの関心事だと思いますので、引き続き頑張っていきたいと思います。といっても、他にも書きたいことがたくさんあるので、断続的になるかもしれませんが。

今回は、SAFE(や他のConvertible Equity)って、雛形を修正したり、条項を加えたりできるの?という軽めの話です。

結論から言えば・・・もちろんできます。

当たり前ですが、雛形は雛形でしかなく、加筆修正は自由です。

SAFEの使用にあたって、提供者であるY Combinatorから、「当事者名、Valuation Cap、Discount Rate等、Square bracket(こうゆうやつ→[ ]です)が付されている部分以外は、一切の変更を加えないこと」といったような条件なり、利用規約なりが課されているかと言うと、そういうわけではありません(そういった類の利用規約はありません。念のため。)。

SAFEの解説であるPrimerでも、「こんな時は例えば別紙記載のあんな条項を加えましょう」とか、「そんな場合には、例えば別紙のサンプル条項を見てください」(抽象的ですいません)みたいなことが書いてありますので、SAFEの開発者自体が、SAFEの雛形に必要に応じて加筆修正が行われることを想定しています。

また、SAFEの対抗馬(?)である500StartupsのKISSにおいても、そのプレスリリースの中で、「KISSは、過度に修正できる余地をなくしながらも柔軟性があるように設計されてます」(They are designed to be flexible without being overly customizable)といわれていますので、やっぱりここでも、ある程度の修正はできることが前提になっています。

ということで、SAFEやKISSで資金調達や投資をお考えの皆さん、どこか気に食わない点があれば、じゃんじゃん修正しましょう!加筆してやりましょう!!

…という話になるわけではありません。

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  Convertible Noteだけでは飽きたらず、SAFEやKISSといったConvertible Equityが開発されたひとつの理由に、実は、「Convertible Noteに色々なバージョンや条項が加わるようになり、複雑化して、早い・安いというConvertible Noteのメリットが発揮されない場合も出てきた」というのがあります。

このあたりのことは、KISSのプレスリリースに、「Convertible Noteは、複雑化したおかげで、リーガルフィーはかかるし、クローズまで時間もかかるようになっちゃた」とズバッと書いてあって、弁護士的には大変耳の痛い話なのですが、まあ事実なんだろうと思います。Convertible Noteって、いろんなところがいろんなバージョンやら雛形を出していて、意外と油断できない書面だったりしますからね。

なので、SAFEやKISSにしても、気に食わないからといってじゃんじゃん修正していたら、Convertible Noteと同じ轍を歩む結果になってしまうわけです。もちろん、雛形がガチッと公表されているため、修正が加わっているかどうか、その修正がどんなインパクトを与えるかなんてことは、Redlineを作ればすぐわかるので、その点ではレビューの負担が軽くなるのですが、そうはいっても、修正されれば、多かれ少なかれ、無駄に費用と時間がかかってしまいますね。

ということで、「基本的に雛形から修正はしないという方向で考える」というのが、SAFEやKISSが開発された経緯にも合致する、理想的で美しい(?)態度なのではないかと思います。

ただ、今後順次検討していこうと思いますが、SAFEやKISSといったConvertible Equityって、実際のところその正体がはっきりせず、理論的にも詰められていない部分もあるように感じることもあります。なので、特に日本の投資家さんからすると、ついつい気になるところを詰めたり、修正したいなと思うこともあるかと思いますが、そんな時に忘れてはいけないことを1点。

それは、

SAFEやKISSといったものでシードマネーをスタートアップに入れること自体が、「超」がつくほどのリスクである

ということです。

この大きなリスクに比べれば、SAFEやKISSが多少よく分からん代物だなんてことは、どうでも良い些細なことなのかもしれません。というか、多少SAFEやKISSを自分好みに修正したとしても、それでリスクが減るわけではおそらくないでしょう。誤解をおそれず言ってしまえば、「焼け石に水」かなと。

こんなこと言ってしまうと、「今後SAFEについて順次検討していきます」といった発言が虚しく空を切ることになってしまうのですが、まあそこは、、、いいじゃないですか。

ということで、意外と長くなってしまいましたが、SAFE(やKISS)の修正に関してまとめると、

「修正はできる。でも、やらない方がいいんじゃない?やっても意味があるとは思えないし。それより、みんなで「安く・早く」を実現し続けましょうよ。」

と言うことになると思います。

あんまりキレがなくてすいませんが、今日のところは、これでお開きということで。

今週もお疲れ様でした!

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