大変お世話になっております。職場にドローンがブンブン飛んでいる小川です。
前回、TAK選手からドローンの規制に関する記事がエントリーされておりました。その中でドローンの現実のアプリケーションとしてどんなものがあるか、という問題意識が示されておりましたので、ここはドッシリ受け止めて、Venture Debtその2ではなくドローンについて書きたいと思います。Venture Debtも近いうちに書きますぞ。
さて、そのドローンですが、簡単なものだったら普通にAmazonで売っています笑（TAK選手、是非買ってください）。
となると、お得意「ドローンとは何か」という定義に入ってしまいそうになりますが、ここはあまり深入りせず、
いろいろ高性能な無人飛行ヘリ
という前提でお話します（要するにイケてるラジコンヘリですな。だいたいカメラが付いています。）。
- ドローンを取り巻く環境（USマクロ編）
ドローンは元々軍用の技術で、その商用利用が注目され始めたのは、2013年12月にAmazonが物流に利用することを計画していると発表してからだと思います。その後、ドミノピザやDHL（物流）などがドローンの活用を打ち出すようになりました。
この意味で、ドローン業界へと注目が集まってから、まだ実質的に2014年1年間ちょっとしか経っていません（2010年～2012年のドローン関係Startupへの投資はとても少ないものでした。）。
しかし、アメリカのVCさん業界では、既にドローン関係のStartupは一つのインダストリーとして認識されています。昨年（2014年）にドローン関係のStartupに投資された額は$100Mを超えてしまったようで（食いつきの良さが半端じゃないですね笑）、著名VCの中ではLightspeed、GGV、KPCBなどが比較的熱心と言われ、本稿執筆現在でシリーズAの資金調達が終わっているドローンStartupは10を超えています（各社のサービス内容は次回？のミクロ編で。）。
日本ではまだ著名なドローン関係のStartupさんについて見聞することは少ないですが、アメリカで最も多額の資金調達を実施したと言われているAirware（アンドリーセン・ホロビッツやフェリシス、GEなどから40M以上調達しているとの噂）さんなどはモリモリと成長を続けているようです。
前回のTAK選手のエントリーにあったようにFAAが米国でのドローン規制案を出したばかりで、「ちっこいドローンは見えないところまで飛んでったらダメよ（VLOS規制）」というようなルールが入っていることもあり、ちょっと投資家目線では好ましくない話なのかなぁとも思いました。
が、よく考えてみると、「そもそも今後どんな規制がされるのか分からない」業界への投資の方がよっぽど二の足を踏みたくなるはず。
ですので今回、まだ案の段階とはいえ、政府が何を考えているのかが明らかになったことで、VCやエンジェルさんなどの投資家の方から見ても、一定の議論のテーブルがセットされた、と前向きに捉える動きが多いようです。
- 日本の状況と規制はどうなってるの？（日本マクロ編）
こうなるとお次は「じゃあ日本だとどうなのよ」ということが気になります。が、正直に申しますと私ぜーんぜん専門家ではないので詳細は調べてみないと分かりません。
ここは試しに総務省が提供している法令データベース（日本の主要法令が収載されています。検索が掛けられるので便利ですが、全法令を網羅しているわけではないので使い方に注意が必要です。）で「航空」という文字列を含む法令名を検索してみたところ、48件ヒットしました。この中から「航空保安大学校組織規則」など明かに無関係なものを除いていくと、やはり残るのは「航空法」ですね。
個人的には「航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律」という法律もちと気になりますが、これは刑事罰を規定した法律なので、運用上のリスクということになりそうです（航空機に危険を生じさせるような飛ばし方をすると過失でも処罰され得るよ、ということ。）。そうすると、やはり航空法の問題なんでしょうか。政府は航空法の改正でドローンを規制していく方針で、その概要は今年示される、なんて報道もあります。
日本での議論状況については今後またTAK選手から…いや、自分で調べろって話か…またアップデートしますね。しかし、航空法で括るのが正しいのか、個人的には疑問なしとしません。どう考えても旅客機や有人ヘリを念頭に置いている法律にそんなルールを押し込むと、なんかややこしいことになりそうな気がするのですが…。
- ドローンを取り巻く環境（USミクロ編）
ということで次回、ドローン関係で元気なUSのStartupsをご紹介致します！