83(b) Electionって日本にいるスタートアップも出した方がいいの?

TakeuchiNobuki Blog Leave a Comment

会社はアメリカ(例えばデラウェア州)で作ったけど、実際の業務は日本でやっていますという日本人のスタートアップさんは、ちらほらいらっしゃいます。

日本でやっている理由は、生活の本拠が日本だからだとか、メインの顧客が日本だからとか、色々ありますが、割と多くあるパターンのひとつに、

「今はアメリカで適法に働ける身分にない(要するに就労Visaがない)から、とりあえず日本でやっているけど、近いうち資金調達した上でしかるべきVisa(たとえばE2 Visa)を取得して渡米する予定」

というものがあります。

この場合にも、創業者の株式にはべスティングスケジュール(典型的には1-year cliff, 4-year vesting)がついていることがほとんどなのですが、そのこととの関連で、

IRS83(b) Electionを提出した方がいいの?」

という質問をよく受けます。

答えは、

Yes!!!

です。

べスティングスケジュールの期間中に米国の税務に服する可能性が(少しでも)あるのであれば、必ず期限内に83(b) Electionを提出してください。

そうしないと、実際にVisaが取れて渡米して米国のTax Payerになった後に、べスティングを通じて多額の税金を納めることになる可能性があります。

07142016

逆に、べスティングスケジュールの期間中に米国のTax Payerになる可能性がまったくない(私はずっと日本でやりますよという人)のであれば、83(b) Electionを出す必要はありません。

デラウェア州等の米国籍の会社を設立する日本人スタートアップには、

「将来アメリカでやったるで!」

と思っている方も多いと思いますが、そんな方で自分の株式にべスティングスケジュールがついている場合には、必ず83(b) Electionを提出しましょう。

そんな方々は往々にして83(b) Electionの申請時点でまだSSN(Social Security Number)を持っていないことも多いと思いますが、そんな場合でも申請は可能です。

83(b) Electionの申請方法については、前回のポストをご参照ください。
前回のポストはコチラ

ちなみにこの議論、日本の株式会社で始めたスタートアップで、自分の株式にべスティングスケジュールがついて、近い将来はアメリカでやりたいなーと考えている場合にも当てはまる可能性がある話です。

もしそんな方がいらっしゃった場合には、今後の資金調達等のプランとの関係でそもそも株式会社のままで良いのかという点も真剣に検討しなければなりませんので、個別にお話合いが必要ですね。

以上、今回は短いポストです。

対象者は少ないかもしれませんが、重要な事項なのでアラートの意味を込めてポストしてみました。

でわでわ。

この記事が気に入ったら
いいね!をお願いします

Twitter で

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です