Convertible Note/Convertible Equityのキホン(6)

大変ご無沙汰しております。1ヶ月ぶりの登場です。

いろいろと忙殺されていて、なかなか更新できずにおりました。

いかんですね。やると決めた以上やり続けないと。

このサイトの主である波多江も小川も、ベイエリアでの務めをいったん終え、日本に帰国してしまったので、3人の中でベイエリアに残っているのは僕のみとなってしまいました。

もちろん寂しいのですが、考えようによってはこれってかなり実はかなり素晴しい状況でして、なにせシリコンバレーと日本の最新実務を、同時並行的にアップデートできるわけです。

個人的には、波多江にも小川にも早々にベイエリアに帰還してもらいたいのですが、しばらくは、まさに日米をまたにかける形でこのブログを展開していきたいと思います。

波多江も小川も帰国直後できっとブログを更新している場合ではなさそうなので、なんとか僕が頑張らねば!ということで、今回の投稿です。

話がいきなり脱線してしまいましたが、今回も、SAFEについて、引き続きその全貌を明らかにしていこうと思います。

前回、主にConvertible Noteと比べた時のSAFEのメリット・デメリットについて説明しましたが、その中で、「SAFEは雛形ガッチリのため、レビューの負担が少なく、したがって費用が安く済む」と書きました。

その雛形ですが、Y CombinatorのHPに以下の4つのパターンが掲載されています。

(1) Valuation Capあり&Discount Rateなし

https://www.ycombinator.com/docs/SAFE_Cap.rtf

(2) Valuation Capなし&Discount Rateあり

https://www.ycombinator.com/docs/SAFE_Discount.rtf

(3) Valuation Capあり&Discount Rateあり

https://www.ycombinator.com/docs/SAFE_Cap_Discount.rtf

(4) Valuation Capなし&Discount Rateなし、だけどMFN条項あり

https://www.ycombinator.com/docs/SAFE_MFN.rtf

Valuation CapとDiscount Rateがまた登場しますが、これらの考え方については、以前Convertible Noteのところで説明したとおりです。

(復習されたい方はコチラをご覧ください)

なので、(1)から(3)については、おおよそどのような種類の書面なのか、結構簡単に想像してらえるのではないかと思います。

前回説明したとおり、SAFEは、Convertible Noteのように簡単で、だけど借金であることから生じる不都合を回避できるイイ手はないかとキャロラインさんがう~~~んとうなった結果生み出されたものですので、Valuation CapとDiscount Rateという重要な概念については、そっくりそのまま使われているわけです(というか、これらの概念は、シードファイナンスでリスクをとった投資家に対して合理的なリターンを得させることを可能にしますので、書面が変わったからといっておいそれと変わるようなものでもありません)。

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Convertible Noteで資金調達する場合でも、Valuation CapもDiscount Rateも両方あるパターンを皮切りに、Valuation CapはあるけどDiscount Rateはないパターン、Valuation CapはないけどDiscount Rateがあるパターンといったバリエーションがありますので、その点でも、Convertible NoteとSAFEは似通っていると言えます。

最後の「Valuation Capなし&Discount Rateなし、だけどMFN条項あり」というパターンのがやや特殊と言えば特殊ですが、「MFN」というのはMost Favored Nationの省略形で、いわゆるひとつの最恵待遇条項(=後々で自分より有利な条件で契約する輩が出てきたら、自分の契約もその条件に自動的に変更されますよという条項)です。

具体的には、

“If the Company issues any Subsequent Convertible Securities prior to termination of this instrument, the Company will promptly provide the Investor with written notice thereof, together with a copy of all documentation relating to such Subsequent Convertible Securities and, upon written request of the Investor, any additional information related to such Subsequent Convertible Securities as may be reasonably requested by the Investor.  In the event the Investor determines that the terms of the Subsequent Convertible Securities are preferable to the terms of this instrument, the Investor will notify the Company in writing. Promptly after receipt of such written notice from the Investor, the Company agrees to amend and restate this instrument to be identical to the instrument(s) evidencing the Subsequent Convertible Securities.”

という条項が入っており、要するに

(1) このSAFEが終了する前に会社がSubsequent Convertible Securitiesを発行した場合には、

(2) 会社は、当該Subsequent Convertible Securitiesに係る書面の写しとともに、投資家(=SAFE保有者)に直ちに通知し(ついでに、投資家が合理的に要求する関連する追加情報を提供し)、

(3) 仮に投資家がSebsequent Convertible Securitiesの方が自分のSAFEよりも有利じゃんと判断して会社にその旨通知した場合には、

(4) 会社は、このSAFEをSubsequent Convertible Securitiesと同等になるように変更しなきゃだめですよ

と言っています。

ちなみに、「Subsequent Convertible Securities」の定義には、SAFEだけでなく、「convertible debt instruments and other convertible securities」も含まれていますので、Convertible Noteや500Startupsが提案するKISSなんかも、MFN条項の対象になってきます。

このパターンのSAFEがどのような場合に使われるかというと、

①Valuation CapもDiscout Rateもなし、だから、次回ファイナンス時の1株当たりの価格とまったく同じ価格で転換する形で基本はOKだけど、もし次回ファイナンスまでに自分よりも有利な条件(=Valuation CapやDiscount Rateがある)でSAFEとかを引き受ける人がいたら、自分にもその条件をつけてね。だって想定よりも自分の転換分が減っちゃうし。

といった感じで、Anti-Dilution条項的に使われる場合と、

②現段階じゃValuation CapもDiscount Rateもいくらに設定したらいいか分からんから、とりあえずおいておいて、後で誰かこれを設定したらそれに乗っかればいいや。へへへ。

といった、他力本願的な形で使われる場合が考えられると思います。

おそらく、使われ方としては①の意味合いで使われることが多いのではないかと思いますが、そうだとすると、なぜ他のパターンのSAFEにはMFN条項が入ってないの?もしかして入れられないの?そんなルールあるの?といった疑問が沸々とわいてくることになります。

が、、、この点についてはまた次回ということで。

余談ですが、朝に1日30分時間を割けば(なんだかんだで、朝がやっぱり一番余裕がありますね)、少なくとも1週間に1度は更新できるよねという至極あったり前な事実に気付いたので、これをなんとか実践していきたいと思います。

もう6月も終わりですね。暑い夏、頑張って乗り切っていきましょう!

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